バックパスの基本ルールを解説!起こりやすい3つのシーンとは?

「バックパスのバイオレーションの定義は?」
「笛を吹かれたが、なにがダメだったか分からない」

バックパス(バックコートバイオレーション)に対する理解が不十分なプレイヤーは、少なくありません。

しかし、正しいバックパスのルールを頭に入れておけば、バスケの魅力であるスピーディーな攻撃を促すことができるのです。

バックパスの基本ルールをしっかりと理解して、試合を有利に運ぶようにしましょう。

1.バックパスとは

バックパスとは、攻めている側のチームが一度フロントコートに入ってから、バックコートにパスやドリブルでボールを戻すことを言います。

バスケットボールのルールでは、一度フロントコートまでボールを運んだら、ボールをバックコートに戻すことは禁止されています。

フロントコートに入った場合というのは、ボールとボール保持者の両足がフロントコートに触れたときが、フロントコートへボールを運んだ瞬間とされています。

そのため、ボールがフロントコートに入っていてもボール保持者片足がバックコートに残っていたり、両足がフロントコートに入っていてもボールがバックコートに残っていれば、バックパスは適用されません。

また、フロントコートでディフェンスがボールに触れたあとに、オフェンスがバックコートでボールを保持した場合にも、バックパスの反則は取られません。

このバイオレーションは、「バックコート・バイオレーション」というのが正しい名称です。

昔のルール用語でバックパスと呼ばれていたもので、現在でもバックパスという呼び名が一般的であるため、ここではバックパスと称して解説していきます。

(1)バックパスはスピード感あるゲーム展開に必要

バックパスは、一度ボールがバックコートからフロントコートへ運ばれたら、再度ボールをバックコートへ戻すことができないというルールです。

このバイオレーションの成り立ちは、攻撃に時間をかけずにスピーディーなプレーを促すことに起因します。

それはスローインの5秒バイオレーション、バックコートからフロントコートまで8秒以内に運ばなければいけないという8秒バイオレーション、24秒以内にシュートを要求する24秒バイオレーションにも共通しています。

バスケットボールは多くの得点を競い合う球技のため、時間稼ぎを極力なくし、スピーディーな展開が要求されます。

バックパスのルールがあることで、スピード感あるゲーム展開を生み出すことができ、観客がそのスピード感を楽しむことにも繋がります。

2.バックパスが起こりやすい3つのシーン

バックパスには起こりやすい3つのシーンがあります。

バックパスの理解が曖昧であると、どうしてもプレーに迷いや隙ができたりします。

初心者の方はまずバックパスの起こりやすい3つのシーンを覚え、経験者の方は初心者のお手本となるように色々なシーンを想定しながらルールに則ったプレーを心がけるようにしましょう。

では、バックパスが起こりやすい3つのシーンを具体的にみていきます。

(1)センターライン付近でディフェンスにつめられたとき

バックパスが起こりやすい1つ目のシーンは、センターライン付近でディフェンスにつめられたときです。

具体的には、バックコ-トからドリブルしてセンターラインをまたぐ瞬間に、センターライン付近でディフェンスにプレスをかけられ、センターラインをまたいで止まってしまうシーンです。

フロントコートにいる味方からのパスを、空中でキャッチしてバックコートコートに着地するシーンもよく見られます。

フロントコートに入ってすぐにボールコントロールを失い、ボールがバックコートにころがってしまうシーンにも注意が必要です。

どのシーンもセンターライン付近でディフェンスにつめられてしまい、バックパスと8秒バイオレーションの両方で焦ってしまうことから起こるので、ボール運びの際は落ち着いて、また広い視野でコートを見るようにすると良いでしょう。

(2)ジャンプボールのとき

バックパスが起こりやすい2つ目のシーンは、センターサークルでジャンプボールを行うときです。

よくあるシーンは、ジャンプボールをフロントにいる味方選手がジャンプして空中でキャッチし、そのままバックコートに着地する場面です。

この場合は、ボールはドリブルしていない状況でフロントコートに入っているので、フロントコートに運ばれたことになり、キャッチしてバックコートに戻って着地するとバックパスが適用されることになります。

また、ジャンプボールの際、プレーヤーがフロントコートでボールをキャッチしたのであれば、そのボールをバックコートにいる味方へパスすることもできません。

(3)サイドラインからのスローインのとき

バックパスが起こりやすい3つ目のシーンは、サイドラインからスローインを行うときです。

フロントコートからスローインを行なう際に、バックコートにいる味方へボールを投げることもバックパスのバイオレーションとなります。

例外として、第2、3、4ピリオド開始時に行なわれるセンターラインからのスローインではバックコートにいる味方へボールが渡っても、バックパスは適用されません。

3.バックパスの審判のジェスチャー

バックパスの審判のジェスチャーは、まず笛を吹き、次に人差し指でフロントコートとバックコートを交互に指し示します。

バックパスを含むバイオレーションは何度犯してもスコアシートには記録されません。

また、退場やフリースローなどの罰則にもつながりません。

とはいえ、ルールに則った上でいかにバックパスを減らしオフェンス力をの精度を高めるかが、勝敗を分ける大きなポイントとなるでしょう。

4.バックパス後のゲームの再開方法

バックパス後のゲームの再開方法を見ていきましょう。

バックパスが宣告されると、相手チームボールになります。

その場合の試合の再開方法は、2種類あります。

  1. ドリブルのタイミングでバックパスが宣告された場合:バックパスを取られたセンターラインから近いサイドラインの位置からスローインを行う。
  2. パスのタイミングでバックパスが宣告された場合:バックパスを受け取った味方選手の位置から最も近いサイドラインからスローインを行う。

この際、審判からボールを手渡されてからスローインを行います。

自らボールを拾ってきて、スローインすることはできないので覚えておきましょう。

またスローインは、審判からボールを手渡されてから5秒以内にコートにいるプレーヤーにパスをしなければ、5秒ルールバイオレーションを宣告され、相手にボールの所有権が移ります。

まとめ

バスケットボールのバックパスは、ボールを持ったチームがバックコートからフロントコートに入ったあと、再びバックコートへボールを戻すことを禁じるルールです。

競技規則では短い文章で書かれているのみですが、実際の試合では色々なシーンが想定できます。

バックパスを理解する上で大切なのは「ボールの受け手が着地した地点はどこか」「フロントコートで相手プレーヤーがボールに触れているかどうか」の2点です。

その2点をしっかりと押さえた上で、どのケースでは反則になるのかを正確に覚えておくことが大切です。

バックパスの基本ルールを理解した上でバスケットボールを思い切り楽しんでくださいね。

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