庶民のシュートの王様になれ!3つのレイアップ解説と練習法
バスケのゲーム中では、ポゼッションごとに1回は必ずシュートを打ちます。
そうして積み重なったシュートを整理したときに気がつくのは、レイアップシュートやゴール下からのシュートなどの、ジャンプシュート以外のシュート(アンフォームドシュート)の多さです。
今回はこれらアンフォームドシュートの種類や打ち方、そして練習法についてまとめました!
1.レイアップシュートは庶民のシュート
かの有名なバスケ漫画、スラムダンク。
バスケ未経験の主人公桜木花道が、1年間の間にさまざまな成長を遂げながら、1人前のバスケットマンを目指していく物語です。
そのなかでレイアップシュート(レイアップ)は、いわばバスケの基本スキルという意味で「庶民のシュート」と称されながら、作中でも重要なスキルの1つとして取り上げられました。
pic:スラムダンク内のレイアップ
速攻の決め手としてレイアップが理想ですし、マッチアップの相手ディフェンスとの1on1に勝つためにはレイアップは必要不可欠です。
すなわちレイアップはすべてのバスケプレイヤーにとって必須のスキルなのです。
2.トラベリングとどう付き合うか
まず考えなくてはいけないのは、レイアップとトラベリングの関係性です。
トラベリングとはそもそも、ドリブルやシュート、パスをしていない状態で軸足を動かしたり浮かしたりしてはいけないというルールのこと。
これに違反した場合トラベリングバイオレーションを宣告(コール)され、ポゼッションが相手に移ります。
レイアップの練習中に「1!2!」と声を出しながら打っている光景をみたことがあるかと思いますが、「本来なら1歩目が軸足として決定され、それを動かしているわけだからトラベリングになるはずだ」とここまで読んだ方は思われるかもしれません。
あるいはここまでで、すでに答えにたどり着いた方もいるのではないでしょうか。
なぜレイアップ中の軸足の移動がトラベリングにならないのか。
答えは、ステップの瞬間からレイアップが開始されているからです。
レイアップの1歩目からシュート中として認められているので、軸足を動かしていてもトラベリングにはなりません。
pic:レイアップはシュート中
レイアップにまつわるトラベリングとしては、両足が離れてからシュートもパスもせずにフロアに足が触れた場合と、連続して同じ片足もしくは両足でフロアに触れた場合が代表的です。
pic:レイアップのトラベリング
3.3STEPで学ぶレイアップの打ち方
レイアップの手順をステップから追って解説します。
(1)ボールをキャッチする
ボールキャッチには空中で行うパターンと、ゼロステップを利用するパターンがあります。
ドリブルやボールミートからのキャッチのタイミングに応じて使い分けましょう。
vid:レイアップのボールキャッチ
ここでもボールミートの技術が活きてきます。しっかりおさらいしておいてください。
(2)ステップを踏む
さて、レイアップはステップの瞬間からシュート中と認められていることからも分かる通り、レイアップにおけるステップの重要性はとても高いです。
まずは相手ディフェンスのいないフリーの状態でのステップについて。
レイアップは相手ディフェンスからのブロックを避けるために、ゴール側の手で打つようにしましょう。
pic:レイアップはゴール側の手で
さらにシュート前に踏み切る足は打つ手と逆だと打ちやすいため、ステップの基本形はある程度決まってきます。
pic:フリーレイアップのステップ
次に、相手がいる状態でのステップについて。
相手をかわすためには、ステップの位置やタイミングを工夫しなくてはいけません。
最近はさまざまなステップそれぞれに名前がつき、詳しい解説がなされています。
今回は代表的なステップを2つ紹介します。
①ユーロステップ
アルゼンチン出身のマヌ・ジノビリによって広く知られるようになったユーロステップ。
1歩目と2歩目の間にギャップを作り、1歩目で方向付け(ディレクション)した相手を2歩目で華麗にかわす美しいステップは、瞬く間にNBA全体ひいては世界全体に広まりました。
pic:ジノビリのユーロステップ
ユーロステップの目的は、相手ディフェンスとの間に横ズレ(ステップの幅)ないしは縦ズレ(ステップのタイミング)を生み出し、シュートのスペースを作り出すことです。
pic:ユーロのステップ
コツとしては相手ディフェンスとの位置をしっかり把握して、2歩目を相手の懐にもぐりこめるようにしっかり踏み出すことです。
②ギャロップステップ
オフェンスでは、相手の不意をつくことが重要です。
レイアップのステップのなかでも最も相手の不意をつけるもののひとつに、ギャロップステップがあります。
pic:ギャロップステップ
ギャロップステップの目的は、ゴールに向かうスピードと方向を思いっきり変えることで相手ディフェンスをかわすことにあります。また、相手ディフェンスからはシュートのために踏み切ったように見えるステップのため、不意をつきやすいのです。
pic:ギャロップステップ
ギャロップステップはとてもグレーなステップで、トラベリングをコールされる危険性を孕んでいます。逆に言えば使いこなせれば怖いものなしのステップなのです。
ノーマルレイアップ、ユーロステップ、ギャロップステップそれぞれの動きのコツを動画で解説しました。ぜひ参考にしてください。
vid:レイアップ3種
(3)シュートを打つ
よくあるレイアップの考え方を教える表現のひとつに、「ボールをリングにおいてくる」というものがありますが、実はこれ、初心者にこそ難しい考え方なのです。
ボールをゴールに届けるために勢いはどうしても必要になってくるし、その勢いを殺して打つためにはボールをゴール下から放り投げなくてはいけない。
そんな初心者の方にとって「置いてくる」という考えは理解しづらいはずです。
ではどうすればいいのが良いのか。
疑問への解決策としてballaqが提唱するのは「全身の力を連動させてボールをゴールに差し出す」考え方です。
レイアップの習熟度に応じて段階分けをしました。
pic:レイアップの習熟度の図
レベル1下半身と上半身が連動していない
レベル2ジャンプ中にシュートが打てない
レベル3勢いを殺せない
レベル1の方は、まずボールの重さに慣れることが大切です。
ゴール下からオーバーハンドでシュートを打つところからはじめましょう。
ボールの重さに慣れてきたら片足を上げた状態でシュートを打ち、踏み切りのタイミングで力をボールに伝える感覚をつかんでください。
pic:レベル1の練習
レベル2の方は、1歩目と2歩目にギャップを作る練習をしましょう。
レイアップにおいてシュートのタイミングをコントロールできるのは大事なことです。
染み付いたノーマルステップと1回距離を置くことで上半身でしっかり狙って打つ感覚を養い、ジャンプ中でも体幹を整えてシュートを打ちましょう。
pic:レベル2の練習
ボードをしっかり活用すると、ぐんと成功確率が上がります。
pic:ボードの活用
レベル3の方は、フィンガーロールの習得が必要になります。
スピードを上げたレイアップでは、踏み切った勢いを殺さなくてはいけません。
ボールのコントロールのために手首のスナップで回転を加えることをフィンガーロールといい、フィンガーロールが上手い選手のレイアップを特にジェリーレイアップと呼んだりします。
pic:フィンガーロールとジェリーレイアップ
回転をかけるためにはボールを片手でコントロールする必要があるため、ボールを手のひらに乗せた状態でレイアップを打つのが効果的です。
ボールの重心が捉えられるようになれば、あとはレイアップのスピードを上げ、少し遠目から二歩目を踏み切った後にシュートを打つ練習をしましょう。
pic:レベル3の練習
このとき、ボードを使わずリングに直接入れるように打つとより効果的な練習ができます。
4.まとめ
基本的なレイアップはこの3段階で完成です。
vid:ノーマルレイアップ、ノーマルステップフィンガーロール
基本的といえどきちんと習得するのはとても難しく、なおかつ利き手でない方の手でも打てるように練習しなくてはいけないのがレイアップです。
動画と自分の動きを比較しながら、ゲームでもしっかりとシュートを決め切るぞという強い気持ちを持って練習すれば必ず習得出来ます。
次回はゴール下のシュートと、その習得に欠かせないマイカンドリルについての記事です。
いくらジャンプシュートやレイアップシュートの確率が良くても、ゴール下が入らなくてはチームからの信頼は勝ち得ません。
ぜひ参考にして、ゴール下100パーセントの選手になりましょう!
この記事へのコメントはありません。