バスケの基本中の基本!ミートとパスの練習法付き解説

バスケのボールは約630グラム。

重いボールを上手く扱うのは、初心者の方にとっては難しいですよね。

パスやパスのキャッチの瞬間は、ゲーム中とくに大変な場面のひとつです。

ボールを扱う技術を上げれば、チャンスを上手く利用できるばかりか、自らの手でチャンスを生み出せるようになります。

シリーズ「バスケのゼロステップ」、今回はパス周辺の基本的なスキルについて解説していきます!

1.トリプルスレッドについて

バスケの試合中、プレイヤーは次の展開に備えるため、オフェンスでもディフェンスでも腰を落としておく必要があります。

腰を落とすことで、急な方向転換に対応できるようになるのです。

特に、オフェンスのボール保持者が腰を落としてゴールに正対するその体勢のことをトリプルスレットと言います。

トリプルスレットをとることで、相手からボールを奪われにくく、またドリブルやパス、シュートなど次の動きがとりやすくなります。

2.ボールミートのやり方4STEP

バスケには「ゲームの勝敗」とは別に、「いかにトラベリングと戦うか」という側面があります。

プレイヤーたちは日々、トラベリングにならないように相手を出し抜く手段を探求し、鍛錬を重ねています。

そんな中編み出された技術の1つに、ボールミートというものがあります。

ボールミートをすることで、軸足の右左や、足の位置などをコントロールできるようになります。

段階に分けて実際にボールミートをする方法を見ていきましょう!

(1)ボールの受け取り先へ向かう

スペースを見つけたら、両手を相手の方向に出しながらボールを要求して、受け取る体勢を整えます。

(2)ボールを受け取る直前に、一歩踏み出す

ここがボールミートにおける、最も重要な動きです。(ゼロステップ

ボールを空中で受け取ることで、軸足の自由度をあげることができ、ひいては相手ディフェンスとのズレを生むことが出来ます。

ズレを作ることでオフェンスの自由度が上がり、得点のチャンスが増えるのです。

初めは0歩目のタイミングを掴むためにも、2人組でパスを出しあうといいかも知れません。

(3)空中でボールをしっかりキャッチする

ボールミートは相手ディフェンスとのズレを生み出すためにするもの

間違っても相手ディフェンスの向かう方向や、チャンスに繋がらないスペースへのミートはしてはいけません。

(4)トリプルスレッドをとる

着地した後はしっかりゴールに正対し、トリプルスレットを取ります。

味方との協力で作ったチャンスを活かすためにも、ドライブやシュートなどで積極的に得点を狙っていきましょう。

3.パスの受け方4STEP

「ボールは友達、こわくないよ」と言っても、バスケのボールは約630グラムあるので、顔面キャッチはいくらバスケットボールと友達でもできません。

しっかりキャッチできないと(ファンブル)、相手にボールを奪われてしまうターンオーバーになってしまうばかりか、思わぬ怪我につながるおそれがあります。

ここで、前項のボールミートのことも踏まえながら、段階を分けてキャッチの技術を記します。

実際の試合の展開によっては、パスの受け方も様々なものが必要になりますが、ここでは基礎編として両手キャッチの方法を記します

(1)パスを受ける先のスペースを確認する。

試合中パスを回す目的。

それは、相手に攻めるポイントを絞らせず、期待値の高いシュートないしはドリブルでのペイントエリア侵入(ドライブイン)、そしてポストアップを生み出すことです。

ゆえにただやみくもにボール回しをしていても意味はなく、パスによってチャンスがつぶれるようなスペーシングは逆効果なのです。

これは、パスの出し手(パサー)とその受け手だけでなく、コート上の5人全員が意識しなくてはなりません。

以上の理由から、パスを受けたいとき、周りのスペースに注意する必要があるのです。

ここでは気をつけたい3つのポイントを記します。

パスを受ける際のポイント

・マッチアップ中の相手との位置関係

・ゴールとの位置関係

・自分とゴールと間の相手の位置

#1.マッチアップ中の相手との位置関係

相手ディフェンスは、常にパスカットを狙っています。

しっかり自分が先にボールをキャッチできるのかを確認せずにミートも怠れば、それは相手ディフェンスにとって格好の獲物です。

相手の動きを予測することで、効率的な次の動きも取りやすくなります。

#2.ゴールとの位置関係

キャッチした後自分のシュートが決まりやすい範囲(シュートレンジ)なのかをあらかじめ予測しておくと、迷う必要がありません。

もし自分のシュートレンジから離れた場所でボールを受け取った際は、ドリブルもしくはパスによって、有利な状況を引き継ぎながらオフェンスを続けましょう。

#3.自分とゴールと間の相手(ヘルプディフェンス)の位置

相手やゴールの位置をある程度把握できれば、さまざまな選択ができるようになります。

そのうえでドライブインを選択する判断基準のひとつに、ヘルプディフェンスがしっかり正しい位置どりをしているかどうか、というものがあります。

ヘルプディフェンスの位置が浅ければ、積極的にドライブインをしかけましょう。

もしヘルプディフェンスが必要以上にカバーに入っているようであれば、必ずフリーの選手がいるということ。

サイドを変えたりして、しっかりフリーの選手にパスを出しましょう。

(2)パサーがボールを出すタイミングで、両手を目線とボールの間に出す。

両手でしっかりボールを手におさめるために、三角形を作るようなイメージで手を開きます。

また、キャッチハンドをしっかりパサーに向けることも重要です。

これはパサーに、「ボールをこの場所で欲しい!」という意思表示をする意味もあります。

大事なのは、両手を棒のように突き出さずに、パスの衝撃をしっかり受け止めるために両手をしっかり開いて待つ体勢をつくることです。

(3)ボールミートする。

ボールミート中のキャッチの瞬間は、しっかりボールを見ましょう。

同時に、周囲の状況にも目を向けなくてはいけません。

バスケのゲーム中には、常に次の動きを考える必要があるからです。

シュート、ドリブル、パス、それらの動きのなかの最適な動きをするために、ボールを受け取る前からボールミートの瞬間まで首を振り続けましょう

(4)軸足を意識しながら、トリプルスレットの体勢をとる。

ボールキャッチの後、軸足を意識しながらトリプルスレットをとります。

4.チェストパス

パスの出し方をおさえておくと、ぐっとプレイの幅が広がります

最も基本のパスであるチェストパスをはじめとした3種のパスを紹介します。

チェストパスはパスの基本です。相手を見つけてパスの感触をつかめるように練習しましょう。

チェストパスを成功させるために

・トリプルスレットをとりながら、パスの相手の状況をしっかり見る。

・重心移動で力を伝える。

・腕をしっかり伸ばして回転をかける。

(1)トリプルスレットをとりながら、パスの相手の状況をしっかり見る

パスを受ける側もそうですが、パサーもパスを出す先をしっかり確認しなければいけません。

受け手の位置どりが悪く、相手にパスをカットされてしまう可能性や、味方同士の位置どりが悪く、チャンスに繋がらない可能性。

これらを総合的に判断して、パスを出すのかどうか自分で判断しましょう。

受け手にパスを要求されても、パスの判断の責任はパサーにあるからです。

(2)重心移動でボールに力を伝える

パスを出す一瞬のチャンスを見つけたら、すぐにパスを受け手に出しましょう。

この時重要なのは、パスの受け手の胸元に届くようにしっかりと体重を乗せてパスを出すことです。

パスの方向に向かって一歩踏み出したり、身体の回転を使ったりして、重心移動を使ってパスを出すようにしましょう。

(3)腕をしっかり伸ばして回転をかける

パスを出す時、一定の方向に回転をかける(バックスピン)ことも、パスの重要な要素のひとつです。

ボールに回転をかけたほうが飛距離が伸びるという理由をよく目にすると思いますが、バスケのボールは十分重く、ハーフコートオフェンスでの短中距離のパスではそこまでの差は出ません。

飛距離の問題は、速攻などの際にコートの端から端へパスを出すようなとき(タッチダウンパス)に意識するべきことがらです。

さて、それではなぜボールにバックスピンをかけた方がいいのでしょうか。

ballaqが考えるバックスピンのメリットは2つあります。

バックスピンが必要な理由

・ボールに力が伝わりやすい

キャッチしやすい

#1.ボールに力が伝わりやすい

バスケのボールは重く、力強く直線的にパスを出すには、下方向からも十分に力を加えなくてはいけません。

身体の重心移動で蓄えた力を指の先まで伝えてパスを出すには、バックスピンをかけるかたちが最も効率的なのです。

#2.キャッチしやすい

無回転や不規則な回転のパスは、キャッチの感触がその時々で変わってしまい、キャッチミスにつながる可能性が高くなってしまいます。

ボールミートした後すぐにシュートを打つ際などは、しっかりとしたキャッチが必要不可欠なのです。

以上の理由から、チェストパスの際はバックスピンを意識することをお勧めします。

5.ワンハンドパス

チェストパスの一種に、ワンハンドパスがあります。

先ほどの両手のパスは安定性がありますが、その反面パスの出発点が限定される面もあります。

力強いワンハンドパスを身につけることで、相手ディフェンスに的を絞らせないようにすることが可能になります。

(1)トリプルスレットをとり、手首を曲げてボールを持つ

ボールを保持する際、ボールの重心をバランスよく両手で持つことが重要になります。

キャッチの際につくった三角形のかたちで持ったままだと、次の動きにつなげにくいため、手首を曲げる(コック)必要があります。

両方の手でコックを行って、両手どちらでもパスを出せるようにしましょう。

(2)重心移動で力を伝える

コックした状態では、より身体の回転や足の踏み出しなどで力を加えなくてはいけません。

(3)上体の姿勢を保ちながら、パスの方向にしっかり腕を伸ばしきる

パスの方向に足を踏み出し、指先まで力を伝えることで力強いパスが出せます。

また足を踏み出すことで、相手の身体を抑えることもできます。

6.オーバーヘッドパス、ノールックパス

近中距離のパスに用いられる手段として、頭上からサッカーのスローイングのように投げるオーバーヘッドパスがあります。

基本的にはサッカーのスローイングと同じ要領ですが、距離やパスのスピードによっては、ボールに回転をかけられるとなお良いでしょう。

このとき注意するべきことは、味方がとりやすいように優しく、また相手にカットされないように状況判断をしっかりしながら出すようにすることです。

パスの出し先から視線を外しながらパスを出す(ノールックパス)のも有効です。

7.バウンズパスのススメ

相手に向かって直線的にパス(ストレートパス)を届けることで、速く正確にボールを移動させられるようになります。

一方でストレートパスは出し手と受け手がタイミングを合わせる必要があったり、軌道が読みやすく相手ディフェンスにカットされやすいという面もあります。

地面を経由するバウンズパスを習得すれば、より多くの場面でパスを回せるようになります。

ここでは簡単に、試合中に使うバウンズパスについて記します。

境界がはっきりとしているわけではありませんが、大まかな目的わけとして4つ紹介します。

(1)相手を避けるパス

マンツーマンディフェンス中、ボールを持っていない(オフボール)状態の相手をディフェンスする際、相手ボールマンと自分がマークしている相手(マークマン)の間でパスを防ぐことを、ディナイといいます。

攻撃中、味方にパスを出すには、このディナイと自分のディフェンスの両方を同時に避けなくてはいけません

自分のディフェンスを避けるためには、ピボットやフェイクなどを使って相手の位置を変えたり、自分の身体で相手を止めたりするのが有効です。

ディナイを避けるには、基本的には相手の懐など、手の届かないところを狙って出すのがよいでしょう。

(2)受け手にボールミートさせるパス

ストレートパスはパサーから受け手まで届く時間が短いため、ボールミートのタイミングを取るのが難しいです。

試合中よくあるボールミートの場面の代表例に、ポストアップとキャッチアンドシュートの2つがあります。

#1.ポストアップへのパス

ペイントエリアの近くで相手ディフェンスを背負うことを、ポストアップといいます。

スペーシングの観点からも有効なポストアップですが、ポストアップしている味方に対しては、斜め45度付近(ウイング)からパスを入れることが多いです。

ポストアップしている状態でボールミートすることで、攻め手が増え、得点につながりやすくなります。

味方がポストアップした際は、ぜひ狙ってみましょう。

#2.キャッチアンドシュートへのパス

決まった動きでチャンスを作るセットオフェンスなどのハーフコートバスケにおいて、シュート成功率の高い選手をオフボール状態でフリーにして、シュートを狙わせることが多くあります。

パスをキャッチしてそのままシュートを打つ(キャッチアンドシュート)のが得意な選手にアシストパスを出す際には、受け手が打ちやすいタイミングでパスを出さなくてはいけません。

そんな時には、バウンズパスで相手にミートしやすいようにしてあげるのも有効です。

(3)リードパス

#1.ピックアンドロール

ボールマンがスクリーンを使い、そのままスクリーナーとゴールを狙うピックアンドロールでは、ディナイを避けながら素早くパスのタイミングを合わせなくてはいけません。

そんな時味方の動きを予測してバウンズパスを用いることで、得点に結び付けられることが多くあります。

#2.スペースへのパス

味方の動きを予測して、動きの先にパスを出す(リードパス)。

いわばスペースへのパスが効果的な場面がゲーム中にはあります。前項のピックアンドロールもそのうちの1つです。

ディナイの裏に飛び込む動き(バックドアカット)に合わせたり、速攻のタイミングでゴールへ走り込む味方に合わせたりすることで、得点に直結するパスになります。

(4)勢いを殺したキャッチしやすいパス

ボールミートやボールのキャッチ能力がまだ十分ではない味方に対して、強いストレートパスを出してしまうと、ファンブルの危険性が高くなります。

そういった味方に対しては勢いを殺したバウンズパスを選択しましょう。

さて、以上のいずれのバウンズパスも、受け手と自分の距離の3分の2から4分の3くらいの地点めがけて出すと、相手がキャッチしやすい良いパスになるでしょう。

まずはお互い向き合った状況で練習するとコツを掴みやすいです。

まとめ

今回はミートとパス関連のスキルについてまとめました。

仲間と一緒に反復練習をして、しっかり自分たちの技術にしていきましょう!

次回はいよいよジャンプシュートなどのストップシュートについてまとめていきます。

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2018.11.05

パスとシュートができれば、立派な戦力になれること間違いなしです!

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