バスケはスペーシングで決まる!オフェンスのスペーシングの基礎
バスケでは、縦28m横15mの長方形のコート上で最大10人が同時にプレイします。
オフェンス時には狭いフロントコート内に10人も集まります。
効率的なオフェンスのためには、コート上の限られたスペースを目的を持って使うことが必要不可欠です。
オフェンス時のチームのスペースの使い方や、コートを俯瞰で見たときのそのかたちをスペーシングといい、良いスペーシングであればあるほど、得点のチャンスも増えていきます。
今回はバスケのゲームには必要不可欠な考え方、スペーシングについて説明していきます。
1.ハーフコートのスペーシング
スペーシングを考える上で、コート上のさまざまな地点についての名称を知っておかなくてはいけません。
今回はコートの場所を以下の3つに分けて説明していきます。
- アウトサイド
- ポスト
- エルボー
それぞれの場所の特徴と使い方について詳しく見ていきましょう。
(1)アウトサイド
アウトサイドは、フリースローラインより外側のことを指しています。
ポイントガード、シューティングガード、スモールフォワードがこのスペースを使うことが多いです。
アウトサイドは主に以下の3つに分けることができます。
- トップ
- ウイング
- ショートコーナー
これからそれぞれについて見ていきます。
#1:トップ
フロントコート内の3Pラインの半円の上の地点のことを、トップといいます。
オフェンス中トップの位置からはゴールとコートの状況を同時に見ることができ、プレイメイクの際にはトップにボールがあることが多いです。
トップにいるときは、全体を見渡して、ボールを回したり、指示を出したりしましょう。
#2:ウイング(45度)
トップに対して、3Pライン沿いに横に動いた地点をウイング(45度)といいます。
一度に注意しなくてはならないディフェンスの数が比較的少なくなりやすいウイングは、ゴールに向かってドリブルをついて攻撃したり(ドライブ)、パスをしたり、得点チャンスにつながる動きが取りやすい地点です。
ウイングにいたら、積極的に得点を狙いに行きましょう。
#3:ショートコーナー
3Pラインの外側で、エンドラインに近い地点をコーナーといいます。
ショートコーナーは、ペイントエリアの中でもエンドライン付近の地点を指します。
相手ディフェンスの意識の外になりやすいコーナーではフリーを作りやすく、オフェンスの有効な決め手のひとつにコーナーから3Pシュートを打つコーナースリーという言葉があるほど、良いスペーシングのために重要な地点です。
コーナーと同様に相手ディフェンスの意識外になりやすく、特にドライブへの合わせでボールをもらいやすい位置です。
ショートコーナーはシュートを打つために広く使いましょう。
(2)ポスト
ポストはインサイドの中でリングに近いため、得点を取るのに重要な役割を果たす場所です。
ポストには主に以下の3つがあります。
- ローポスト
- ハイポスト
- ミドルポスト
それぞれについて見ていきます。
#1:ローポスト
ローポストはゴールにもっとも近く、得点に結びつきやすい地点です。
しかしそれだけ相手ディフェンスも厳しくなったり、取れる視野も狭くなります。
また注意してほしい点として、オフェンス中、ペイントエリア内に3秒以上留まってはいけません。
なのでプレイヤーたちはペイントエリアの境界付近でボールを保持したり、スペースを確保するようにしましょう。
ローポストに入るときは、ペイントエリアの境界にいるよう注意してください。
#2:ハイポスト
ハイポストはゴールから少し遠く、コートをある程度見渡しながらプレーできます。
ただドライブは3Pラインの外側と比べゴールへの距離がない分、相手ディフェンスに対応されやすく、シュートの際は距離がある分難易度が上がってしまいます。
ハイポストでボールを受けとった際は、そのままパスをだすか、ポストプレイにもちこみましょう。
#3:ミドルポスト
ミドルポストはローポストとハイポストの中間の地点を指し、シュートにもドライブにも行きやすい地点です。
しかしミドルポストはオフェンス中に多く通過する場所でもあるので、ミドルポストに長時間とどまるのは、悪いスペーシングにつながる危険性が高いので注意が必要です。
自分が邪魔になっていないか注意しつつ、適切なタイミングでミドルポストに入ってください。
(3)エルボー
ペイントエリアの角付近の地点をエルボーといいます。
ゲーム中、トップやウイング、ゴール下への移動の際に経由するポイントとして、エルボーを使うことがあります。
エルボーを経由することで動きが直線的にならず、ボールを受けやすくなる場面があるからです。
オフェンス時には、味方の動きに合わせてこれらの位置にバランスよく移動しあうことで、お互いの作り出したチャンスを有効活用できるようになります。
2.速攻を成功させるためのスペーシング
バスケは、時間内にボールを相手より多くの回数ゴールに通すスポーツです。
したがってもっとも簡単なオフェンスの戦略に、ポゼッションを保持したらすぐに相手ディフェンスが揃う前にゴールを狙いに行く速攻があります。
基本的には、速攻がオフェンス時の1番最初の狙いになります。
勝利への近道は、相手より早く、そして速く走ることなのです。
しかしながら速攻に走るオフェンスが全員、ゴールに向かって単に突っ走ればいいというわけではありません。ここでも良いスペーシングで走ることが重要になってくるのです。
コートを走り抜ける速攻では、地点を意識するポイントの考え方に加え、帯を意識したレーンの考え方が存在します。
(1)ミドルレーン
ゴールに垂直なコート中央の範囲をミドルレーンといいます。
同時に走る味方にパスを出しやすく、またシュートも狙えるため、速攻時にボールを持っているプレイヤー(ボールマン)は基本的にミドルレーンをドリブルする(ドリブルアップ)のがいいでしょう。
(2)サイドレーン・ウイングレーン
コートのサイドラインよりを走る場所はサイドレーン、もしくはウイングレーンといいます。
速攻のときはミドルレーンをドリブルアップする味方に合わせて、広くコートを使い人数の差を最大限利用するために、サイドレーンを走りましょう。
またボールを受け取った後はレイアップか3Pシュートを狙うか、後から走り込んできた味方にパスを出すのがいいでしょう。
(3)トレイラーゾーン
速攻で1番目に狙う(ファーストオプション)のは、得点効率の高いレイアップもしくは3ポイントシュートです。その後のセカンドオプションとして効果的なもののひとつに、空いたスペースに走り込んだフリーの味方(トレイラー)にパスを出しレイアップを狙う戦略があります。
このトレイラーが走り込んでくる、ミドルレーンとサイドレーンの間の範囲をトレイラーゾーンといいます。
ここで重要なのは、ボールマンもそれ以外の選手も、走りながらお互いにパスが出し合える一定の距離を保つことで、相手ディフェンスに狙いを絞らせないことです。
速攻ではオフェンスの方が人数が多くなることが多く、ポゼッションが入れ替わった際には逆にピンチを迎えることになってしまいがちです(逆速攻)。
第一にしっかりシュートを決めきり、ポゼッションが相手に移ったときにはすぐにディフェンスできるようにする心構えも大切です。
まとめ
今回は主にバスケの簡単な仕組みとスペーシングの考え方について触れました。
ballaqの理想のオフェンスとは、再現性と効率性の高いプレーを、状況に応じてコート上のプレイヤー全員が協力して行うオフェンスです。
そのためには、今回の題材であるスペーシングの概念がとても重要になってくるのです。
ballaqをはじめとしたバスケのメディアやバスケの本を参考にするのもよし、実際にゲームに参加したり観戦してバスケIQを養うのももちろん良いでしょう。
ぜひ、コート上にいながらコート全体を俯瞰で捉えることができるプレイヤーを目指してください。
次回はいよいよバスケのポジションの紹介とその解説です。
自分にあったポジションはどこか、そしてそのポジションに要求されるスキルは何か。
きっとこの記事がこれらの疑問を解決する手助けになってくれるはずです!
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