バスケを知るにはルールから!バスケのしくみと簡単なルール

バスケにおける勝利の条件。

それは試合時間中にボールをゴールに相手より多く通すことです。

あるいは相手チームからプレイヤーがいなくなることも、勝利の条件に含まれます。

日々バスケプレイヤーたちやコーチ陣が努力をしているのは1つめの条件を満たすためですが、その練習メニューや練習の動きを見て、「果たしてこれが勝利につながるのか?」と疑問に思った経験はありませんか?

勝利への最短経路は、まずゴールがはっきりしていなければ進めません

初心者の方はこれから間違った方向に進まないようにするために、まずははじめにバスケの構造とルールについて知っておきましょう!

1.バスケの基本的な流れ

攻撃(オフェンス)はボールを保持している状態でのみ可能です。

オフェンスが続いている状態のことをポゼッションを保有しているといいます。

pic:オフェンス

究極的に言えば、試合を通してポゼッションを100パーセントの状態にすれば負けることはありませんが、バスケにおいては難しいといわざるを得ません。

それはポゼッションを保有してから24秒以内にシュートを打たなくてはいけないという24秒ルールの存在があるからです。

24秒以内にシュートを打った後、決まればポゼッションが相手に移ります。

決まらなかった場合(ゴールリングには当たっている場合)、ボールはどちらのチームも保持していないルーズボール状態になります。これを取ることをリバウンドといい、ポゼッションを保持するために必要な要素の1つです。

pic:リバウンド

また、ポゼッション保持中になんらかの理由でボールを相手に奪われてしまうことをターンオーバーといい、これも相手にポゼッションが移る理由の1つです。

pic:オフェンスの流れのフローチャート

ポゼッションが相手にあるあいだは、ポゼッションを奪わなくてはいけません。

これがいわゆる守備(ディフェンス)です。

pic:ディフェンス

現代バスケでは、守備は大きく分けて2種類あります

マンツーマンディフェンスと、ゾーンディフェンスです。

全員がそれぞれ1対1で相手につく(マークする)ディフェンスのことをマンツーマンディフェンスといい、5人がコートの範囲を分担してディフェンスすることをゾーンディフェンスといいます。

ゾーンディフェンスはマンツーマンディフェンスに比べて戦術性が高いため、まずはマンツーマンディフェンスに慣れることが大切です。

pic:マンツーマンディフェンスとゾーンディフェンス

2.バスケの規則・コート編

バスケのコートにはあらかじめ設けられた線や範囲があり、それぞれに名前がついていたり、呼び名が一般的になっているものが数多くあります。

ここで基本的なものをいくつか紹介します。

pic:コートの図

1)エンドライン・サイドライン・センターライン

バスケのコートのもっとも外側にある線のうち、ゴールとゴールを結ぶ線に対して、垂直な線をエンドライン、平行な線をサイドラインといいます。

そしてエンドラインとサイドラインで決められたコートを2つに分けるコート中央の線が、センターラインです。

2)3ポイントライン

バスケではオフェンス時にシュートを打った場所によって、得られる得点の量が異なります。

ゴールを中心とした半円形の3ポイントライン(3Pライン)より外から打ったシュートが決まれば3点3Pラインの線上もしくは内側からのシュートが決まれば2点が得られます。

pic:3Pと2P

3.代表的なバイオレーション

バスケは誕生からの歴史が他のスポーツに比べ短く、またショーの要素が多く含まれたスポーツです。

ルールは独自のものが多く、バスケをプレーしたことがない人にとっては、全く予想がつかないようなルールも多々あります

ここではゲーム中によく出てくるルールについて、代表的なものをいくつかピックアップします。

1)トラベリング

バスケには、ピボットフット(軸足)という考え方があります。

軸足とは、ボールを保持するときに軸となる足のことです。

ボールを保持した状態で、ドリブルもシュートもせずに軸足を動かしたり浮かしたりすると、トラベリングバイオレーションを取られてしまいます。

ボールを保持した時に地面についている1歩目が軸足と決まり、自由に動かせるのは2歩目のみです。ちなみに、この2歩目を動かすことをピボットと言います。

pic:軸足とピボット

ボールを保持して軸足が決まるタイミングには、2パターンあります。

1)ボールを保持していない状態からボールを保持したとき(始まりの軸足)

ボールを足が地面についた状態で保持した時、軸足は地面についている足に決定します。

pic:地面についた状態の軸足・片足編

pic:地面についた状態の軸足・両足編

ボールを空中で保持した場合、軸足は最初に地面についた足に決定します。

pic:空中で保持した場合の軸足・片足編

pic:空中で保持した場合の軸足・両足編

2)ドリブル状態からボールを保持したとき(終わりの軸足)

ドリブル状態のあいだ、ボールをその手で持ってはいないものとして考えることができます。

よって、ドリブル中にどれだけ細かくステップを踏んでも、トラベリングにはならないのです。

この場合、ドリブルを止めボールを手に収めた時に、軸足が決定します

1)ドリブル中に足を止め、それからボールを保持したとき

ドリブル中はボールを持っているわけではないので、足を止め、その後ボールを保持したということは、足が地面についた状態で保持したのと同じように考えることができます。

pic:足を止め、その後ボールを保持したときの軸足・片足編

pic:足を止め、その後ボールを保持したときの軸足・両足編

2)ドリブル終了と同時にボールを保持したとき

ドリブル終了と同時、つまり最後のドリブルのタイミングで空中でボールをキャッチしたときは、ボールを空中で保持したのと同じように考えられます。

pic:ドリブル終了時にボールを保持したときの軸足・片足編

pic:ドリブル終了時にボールを保持したときの軸足・両足編

ちなみにこれらの軸足の考え方は昔からあるもので、現在は新たにゼロステップという考え方があるのですが、これは別の場面でまた紹介することにします。

2)ダブルドリブル、イリーガルドリブル

ドリブル中はボールを持っていないものとするというルールがありますが、ここでいうドリブル中とは、ボールをボール上方からタップして、ボールをバウンドさせながら移動している状態のことを指します。

ドリブルを開始して終了した後は限られたプレーしか出来ず、ドリブルをもう一度続けると、ダブルドリブルバイオレーションを取られてしまいます。

いくつか例を挙げると、ボールを掴んだり、下から支えるなどしてボールを保持した後、地面にボールをバウンスさせてキャッチしてしまったときや、ボールがフロアーに接触する前にもう1回触ってしまったときがこれに該当します。

pic:ダブルドリブルの例

またドリブル中に両手でボールを触れてしまった場合も、ドリブルは終了したものとみなされます。さらにはボールを下から支えたり、掴むなどして保持した場合もドリブルは終了してしまいます。

これらの後すぐにドリブルを続けることは、イリーガルドリブルバイオレーションにあたります。

pic:イリーガルドリブルの例・手元

ゲームによっては、区別せずにダブルドリブルバイオレーションとしてコールされることもあります。

3)24秒・8秒ルール

バスケのゲーム中には、試合の展開をスピーディーにするための、場面に応じた秒数制限がいくつかあります。

その中でもゲームの構造全体に関わる秒数制限である、24秒ルールと8秒ルールについて記します。

1)24秒ルール

ゲーム中、両チームはポゼッションを保有してから24秒以内に、ボールがゴールのリングの内側を通過するか、もしくはリングに触れるようにショットしなくてはいけません

pic:24秒タイマー

これを24秒ルールといい、これを満たせなかった場合は、ショットクロックバイオレーションになってしまいます。

vid:ショットクロックバイオレーションの例

この24秒はポゼッションを保有しているあいだ、ずっと数え続けられます。

ただしショットされたボールが空中にあって、その間に24秒が経過した場合には、ショットしたボールがリングの内側を通過、もしくはリングに触れさえすれば、ショットクロックバイオレーションの適用から逃れられます。

2)8秒ルール

バスケのコートは、チームが攻める方向によって、バックコートとフロントコートの2つに分けられます。

pic:バックコートとフロントコート

またゲーム中、いずれかのチームがポゼッションを保持しているか、ボールがコート内でルーズボール状態にある時をライブといい、それ以外の時をデッドといいます。

ボールがデッドの状態からライブになる例として簡単なものが、スローインです。

オフェンス時にバックコートでボールがライブになった場合、8秒以内にボールをフロントコートへ運ばなくてはいけません。このルールを8秒ルールといいます。

ボールが外に出たり(アウトオブバウンズ)、またはジャンプボール・シチュエーションであったりした後のスローインの場合は、8秒について継続して数えられます。

vid:8秒ルールの例

4.シリンダーとファールについて

バスケを知らない人は、バスケを選手の接触を禁じているスポーツとして捉えがちです

しかし実際のゲームに参加したり、観戦をしたりすると、選手間でかなりの接触があるスポーツだということがわかります。

では一体、どのような種類の接触が禁じられ、認められている接触との線引きはどこにあるのでしょうか。

簡単なルールのまとめの最後の項目として、バスケにおけるファールの定義について記します。

まずはファールの定義の説明の前段階として、シリンダーの概念について触れておきます。

pic:シリンダー

バスケは比較的狭いコートの中で、最大10人が同時にゲームをするスポーツです。

よってプレイヤーの安全を守るため、選手同士でお互いに冒してはならない領域が選手の身体の周囲に設けられています。これをシリンダーといいます。

円筒という言葉が意味するように、選手それぞれに与えられたシリンダーは、コートやコート上の空間に座標系を設けたときの、選手の体幹部が断面になるXY平面に垂直な円柱の空間、そのすべてを指します。

pic:シリンダーのイメージをイラスト化

ファールは基本的に、手や足などで身体を叩いたり、蹴ったりするなどの危険なプレーに対してコールされるものです。

しかしゲーム中にはときに、どうしてもプレイヤーが接触してしまう瞬間があります。

そういったとき、どのプレイヤーのどのプレイに責任があるのか。またそのプレイがファールか否かを、接触時のシリンダーへの干渉の有無やその仕方によって判断するのです。

ゲーム中認められている接触とは、

1)シリンダー内、そして正面からの接触

2)接触の瞬間、シリンダーを動かしていない

これらを満たす接触のことなのです。

pic:認められている接触と、そうでない接触

ここで認められていない接触について、ゲームでもよくみられる簡単な例を2つ挙げます。

1)正面以外で接触をしたときの、レイアップに対するファール

pic:レイアップを横から止めにいった場合のファール

オフェンスがドライブなどでゴール近くまで侵入し、レイアップシュート(レイアップ)を狙ってきた場合、ディフェンスは阻止するためにブロック(シュートされたボールを弾くこと)を狙うかもしくは、シュートチェック(シュートを妨害すること)に行きます。

このタイミングで接触があったとき、ディフェンスはシリンダー内の正面部分で相手に接触したか、あるいは接触中にシリンダーを動かさなかったかどうかの2点について判断されます。

そしていずれか1つでも満たさなかった場合は、ディフェンスのファールをコールされます。

2)ノーチャージエリア外でのレイアップに対するディフェンスファール

pic:レイアップ時のファール

もうひとつの例も、レイアップシュートの場面にコールされるディフェンスファールです。

このとき、ディフェンスは動いておらず、シリンダーから手や足を出している様子もありません。

しかしながらこれはディフェンスのファールになってしまいます。

先に空中に飛んだオフェンスのシリンダー内に、ディフェンスが後から入ってしまったとみなされるためです。

pic:オフェンスのシリンダー

基本的にバスケはオフェンス有利のスポーツなので、特にこういった得点につながるような場面では、ディフェンス側はファールをコールされないように気をつけてプレイする必要があります。

まとめ

さて「バスケのゼロステップ」第2回は、バスケの基本的なルールについてまとめました。

これでバスケのしくみについてはバッチリです。

細かいルールはまだまだ数多くあるので、これから先どんどん紹介していきます。

続いての第3回は、基礎テクニックであるミートとパスについてのこの記事です!

バスケの基本中の基本!ミートとパスの練習法付き解説

2018.11.04

いよいよ次回からは実際のゲームで必須な動きの紹介をしていきます。

基本的な考え方を動きにいかしていきましょう!

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