プラス4点分の働き!?リバウンドを取るコツとボックスアウト

ポゼッションの保有率は、ゲームの勝敗を決定づける要因のひとつ。

バスケのゲームでは24秒ルールのもと、交互にポゼッションが入れ替わりながらゲームが進んでいきます。

そんななか、時にどちらのチームもボールを保有していないルーズボール状態になることがあります。

pic:ルーズボール争い

プレイヤーのスキルレベルによってゲーム中のルーズボールの時間は異なりますが、特に初心者同士のゲームにおいてはとても大きな時間を占める要素です。

ルーズボールをいかに自分たちのポゼッションにできるか。

これははとても重要な問題ですし、その上でリバウンドをもぎ取ることは必須の事柄です。

1.先を読んでリバウンドを取る

pic:スラムダンクのリバウンド

どうすればリバウンドを取れるのか。

バスケのトップリーグNBAの中でも屈指のリバウンダーであるデニス・ロッドマンは、オフェンスリバウンドをもぎ取るために味方のシュートを観察し、落下しやすい場所の傾向だけにとどまらず、ボールの回転数と落下地点の相関関係にまで目を向けていたそうです。

pic:ロッドマン

すなわちリバウンドには高いバスケIQが必要であり、素早い落下地点の予測によって獲得できるリバウンドの数も多くなります

シュートされたボールは基本的にリングに向かってアーチを描き、リングに入らなかったボールはリングやボードに跳ね返って落ちてきます。

pic:リングに当たって跳ね返るボール(スラムダンク)

このときボールが落ちてくる地点を決定する要素は、シュートの横ズレの大小とシュートの強弱の2つです。

まずは敵味方のシュートの癖を把握した上で、ここではシュートがリング付近に当たった場合のリバウンド獲得について考えます。

まずは以下の図を見てください。

pic:45度からのシュートと落下しやすい地点の色分け

これはボードに対して角度がついた地点からのシュートが外れた場合、どの地点に落ちやすいかを色分けしたものです。(ballaq調べ)

ボードの中央からに垂直に伸ばした線に対して、線対称状に分布しているのがわかりますね。特にシュート地点とは逆の方向に集中して分布しています。

このようにシュートはボードから線対称状に広がる地点に落ちやすく、シュートの強弱によってボードに対して垂直な線のどちら側なのかが決定されているのです。

pic:トップ、コーナー、ゴール下からのシュートと落下地点

よってシュートが放たれた時には、シュートを打ったプレイヤーのシュートの正確性を加味した上で確率の高い地点にいれば、リバウンドを取れる確率が上がるというわけです。

2.相手を素早くボックスアウト

シュートの落ちる地点を素早く予測し、そこで待つ

失点に繋がるリスクが低いオフェンスリバウンドは確かにそれだけでもいいのですが、ことディフェンスリバウンドに関して言えば、待っているだけでは不十分です。

ゴール近くで相手オフェンスにリバウンドを取られ、そのままシュートを決められてしまうおそれがあるからです。

pic:オフェンスリバウンドをねじ込まれるディフェンス

相手のリバウンドを封じるために、ボックスアウトを行なって相手を抑えなくてはいけません。

pic:ボックスアウト

ボックスアウトの目的は、相手に身体を当てることでジャンプや走り込みを抑え、自分含め味方がリバウンドを取れるようにすることです。

今回は特にマンツーマンディフェンス中のボックスアウトについて解説していきます。

(1)相手の位置を確認する

マンツーマンディフェンス中、それぞれが自分のマークマンに対してリバウンドを取らせないようにできれば、ポゼッションを確保することができます。

しっかりと自分のマークしている相手オフェンスの確認とともに、時には自分のマークマンでない相手でも要注意人物に対してボックスアウトできるように準備をしましょう。

pic:要チェックや!

(2)半身で相手に近づく

相手に走られる前に、時にはすでに走っている相手を抑えなくてはいけないので、移動は素早く行わなくてはいけません。

しかしながらボックスアウトの目的はリバウンドを取ること。

シュートされたボールから目を切ってしまうのは良くありません。

pic:ボックスアウトの良くない例

ボールと相手の位置を把握しながらボックスアウトを行うために、視野が確保しやすい半身の状態で相手のもとへ向かいましょう

pic:半身で身を寄せる

(3)相手の懐に背中を押し当てる

半身で相手のもとへ向かったら、片腕を相手にあて、位置を見失わないようにしながらリング付近を確認します。

pic:半身で相手を抑える

相手の懐に完全に入ったら、背中を相手に押し付けます。

肩を広げ背中の面積をひろげ、お尻で相手を押し出しましょう

pic:背中を広げる

(4)動く相手を背中で抑える

相手に身体を当てるのは、その後の相手の動きを封じるためです。

よって相手にスカされたり逃げられては意味がありません。

相手が自分の脇をすり抜けようとした時は横に移動したり、後ろに相手が下がった時は隙間を空けないように押し続けるなど、絶えず先読みして動く必要があります。

pic:ボックスアウト中の移動

(5)リバウンドに参加する

せっかくボックスアウトが成功しかけたのに後ろからボールをもぎ取られてしまっては、元も子もありません。

各々が自分の方向に飛んできたボールをしっかりキャッチしてはじめて、ボックスアウトは完成するのです。

そのためには最後のジャンプのタイミングで、相手を押しながらボールに飛びつく必要があります。pic:横から見たリバウンドと重心の軌道

自分より身長が高い相手を抑えるためにも、片手でボールを迎えにいきましょう

ボールをキャッチした後は、ボールを下げずに肘を張って保持することが大切です。

pic:キャッチと保持

これら5つの手順を動画で確認してみましょう。

vid:リバウンド

3.リバウンドを取ったあとは?

落下地点を読み相手を抑えて取ったリバウンド。

これだけでもナイスプレイですが、さらに状況に応じたプレイを選択できれば、もっとリバウンダーとしての高みに登ることができます。

(1)オフェンス中のリバウンド後

オフェンスリバウンドをもぎ取って第一に狙うべきなのはシュートです。

リバウンドはゴール近くで獲得されやすいですし、リバウンド直後は相手ディフェンスの対応が遅れるからです。

pic:リバウンド後のシュート

相手ディフェンスが複数人対応してきた場合は、他のフリーの選手にパスを出してもう一度ポゼッションを保持しましょう。

(2)ディフェンス中のリバウンド後

リバウンドを取ったタイミングでポゼッション保有権は入れ替わります。

相手のディフェンスへの移行が遅い場合は速攻のチャンスにつながる場面です。

チャンスを見失うことのないようリバウンドを取ったらすぐ振り返り、コートの状況を把握しましょう。

pic:リバウンドはすぐ振り返る。

また他のプレイヤーがPGとしてゲームメイクを担当しているときには、すぐにそのプレイヤーにパスを出し、一気に相手コートに攻め込むのも効果的です。

pic:PGへのパスアウト

リバウンドの効果的な練習法

(1)タップ(1人)

リバウンド争いに参加するときは、ジャンプの最高点に合わせてリングやボードに跳ね返って落ちてきたボールを取らなくてはいけません。

またボールが落ちてきたのを両手でキャッチするより、片手を伸ばして触れた方が高い位置でリバウンドを奪えます

pic:片手のリバウンド争い

ボードにボールを跳ね返し続けることで、ボールにタイミングよく片手でタッチする感覚を養いましょう。

pic:タップの練習

まずは低いジャンプで両手を使ってタップするところからはじめ、タイミングを掴みましょう。

タイミングに慣れてきたら、片手でタップするようにします。

pic:両手から片手への移行

片手でタップするときのイメージは、ボールを手のひらで叩くのではなく、指先でとらえてそれを投げる、という風に行うといいでしょう。

pic:片手でタップするときの手元

(2)ボックスアウト(3人以上)

オフェンスもディフェンスも予測することが必要なリバウンド。

そのどちらにとっても練習になるメニューを紹介します。

pic:ボックスアウトの風景

このメニューに必要なメンバーは、シューターとオフェンスリバウンダーとそのディフェンダーの3人です。

まずはそれぞれのプレイヤーの配置から。

pic:上からみた配置

前項でも触れた通り、シュートによって放たれたボールがリングやボードに当たった場合、ボールが落下する地点はシュート地点とリングを結んだ線上、ないしその線とボードに垂直な線に対して対称な線の上に集中します。

この傾向を身体で理解するため、リバウンダーとそのディフェンダーは、シューターと線対称の地点からリバウンドを取りに行きましょう。

次に練習の手順です。

まずはリバウンダーがボールを保持し、ディフェンダーはマンツーマンディフェンスのボールマンに対するディフェンス(1線のディフェンス)を行います。

pic:1線のディフェンス

次にリバウンダーはシューターにパスを出し、ディフェンダーはシューターとマークマンのパスを通させないような地点に移動、ディナイの姿勢を取ります(2線のディフェンス)。

pic:シューターへのパスと2線のディフェンス

パスを受けたシューターはディフェンダーが2線の体勢を取ったことを確認したら、そのままシュートを打ちます。

このとき自分が苦手なシュートを選択し、リバウンドにつながる可能性をあげるのも効率的ですが、わざとシュートを外すのは実践的とは言えないためやめましょう。

リバウンダーはシューターがシュートモーションに入ったタイミングで動き出します。

ディフェンダーはシュートが打たれたらすぐ、リバウンダーの動き出しを抑えましょう。

pic:シュートとボックスアウトの準備

シュートが放たれたあとはリバウンダーとディフェンダーのリバウンド勝負です。

ディフェンダーはボックスアウトをしっかり行いましょう。

pic:ボックスアウト

ディフェンダーによるボックスアウトが成功したあとは、リバウンドを取ったディフェンダーはすぐ前を向き、シューターを味方チームのPGと見立ててパスを出しましょう。

以上の2つをまとめた動画です。ぜひ参考にしてください。

vid:タップとボックスアウト

まとめ

リバウンドとボックスアウトについてまとめました。

バスケでは、「ゴール下は戦場」という表現があります

pic;ゴール下は戦場

リバウンド争いとは本来身体と身体がぶつかり合う激しいものなのです。

何よりも接触を厭わない強いハートこそ、リバウンドを支配するための最大の秘訣です。

ハートは熱くアタマはクールに、リバウンド王への道を突き進みましょう。

さて「バスケのゼロステップ」、基本的スキルについての特集は今回の記事で最後です。

次回からはスペーシングやポジションなど、バスケに必須の知識やマインドを伝授していきます。

バスケはスペーシングで決まる!オフェンスのスペーシングの基礎

2019.11.05

まずはスペーシングについてのこの記事。

個人スキルだけでは上手く行かないのがバスケ。

チームとどのように協力するのか、この記事がきっとそのヒントになるはずです!

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