NBAの司令塔、クリス・ポール徹底解説【プレーからプライベートまで】
「クリス・ポールって有名だけど、どんな人なの?」
「詳しくクリス・ポールについて知りたい!」
バスケ好きの方なら、誰でも憧れるクリス・ポール(Chris Paul)選手。
クリス・ポールは、現在のNBAを代表する司令塔の一人です。
CP3とも呼ばれる彼は、ルーキーシーズンから2019年現在に至るまでその圧倒的なリーダーシップとパスセンスで、リーグ屈指のポイントガード(PG)として走り続けています。
今回はそんなクリス・ポールについて、プレイやプライベートなどをまとめました!
目次
1.クリス・ポールの身体特徴と選手歴
本名 | クリストファー・エマニュエル・ポール(Christopher Emmanuel Paul) |
生年月日 | 1985年5月6日(2019年2月現在33歳) |
出身 | ノースカロライナ州・ウィンストンセーラム |
身長はNBA選手の中では小柄な彼ですが、その積み上げてきた実績の高さは他の追随を許しません。
いったい他のPGと比べてどこが優れているのでしょうか。
まずは基本的なデータから見ていきましょう。
- 身体特徴
- チーム遍歴
(1) 身体特徴
身長 | 183cm(6フィート) |
体重 | 79kg |
ウィングスパン(両腕を水平に伸ばし、指先から指先までの長さ) | 約192cm(6フィート4インチ) |
ジャンプ力は、垂直跳びで約75~90cm(30~35インチ)とされています。
2019年現在ではめったにダンクの場面は見られませんが、ルーキーシーズンにはドワイト・ハワードをポスタライズするほどのジャンプ力でした。
(2) チーム遍歴
2019年現在キャリア15年目を迎えるクリス・ポールは、NBAのリーグ内ではベテランに分類されるプレイヤーのひとりです。
ホーネッツとクリッパーズ時代の彼は、加入したチームの成績を上げることのできる数少ないプレイヤーとして、在籍するチームで重宝される存在でした。
無冠の強者のひとりとして奮闘していたポールも、優勝のリングを求めて2017年に優勝候補の一角であるロケッツに移籍します。
今回はそんな彼のチーム遍歴をまとめました。
- 2005〜2011 NO ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)
- 2011〜2017 LAC ロサンゼルス・クリッパーズ
- 2017〜 HOU ヒューストン・ロケッツ
#1.2005〜2011 NO ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)
ホーネッツ時代、クリッパーズ時代ともにPGとしてチームを率い、リーグ内でも特に弱いとされていたチームをそれぞれ強豪へと成長させています。
ホーネッツでのキャリアが3年目となった2007〜8シーズンには、早くもオールNBA1stチームとオールディフェンシブ2ndチームに選出され、リーグ最高峰のPGの地位を築き上げます。
また彼はキャリア初期からすでに、1シーズン平均20得点10アシスト以上という素晴らしい成績を残しています。
2008〜9シーズンにはNBA新記録となる108試合連続スティールを達成しており、彼のディフェンスの評価も高いものになりました。
#2.2011〜2017 LAC ロサンゼルス・クリッパーズ
クリッパーズでは、ブレイク・グリフィン(2018年ピストンズに移籍)やデアンドレ・ジョーダン(2018年マブスに移籍)らとのコンビネーションで観客を魅了しました。
CP3をはじめとしたガード陣からのロブパスを受け取ったフォワード陣のアリウープダンクが代名詞となり、当時のクリッパーズは「ロブ・シティ(Lob City)」と呼ばれました。
#3.2017〜 HOU ヒューストン・ロケッツ
2017年には満を辞してリーグ優勝最有力のチームであるヒューストン・ロケッツに移籍します。
加入直後の2017〜18シーズンでは、チーム史上初のレギュラーシーズン60勝を達成し、最終的にはリーグ1位の65勝17敗という結果をチームにもたらしました。
2019年現在もチームエースのジェームズ・ハーデンとともに、リーグ最高峰のバックコートコンビとしてチームのオフェンスを牽引しています。
クリッパーズ時代に象徴されるようなビッグマンとのコンビネーションも健在で、クリント・カペラや、2019年にネッツから移籍してきたケネス・ファリードとのピックアンドロールで、相手チームのディフェンスを翻弄しています。
2.プレイの特徴
クリス・ポールは、広いコートビジョンを発揮してのアシストはもちろんのこと、チーム全員を得点に絡めるゲームメイクの力はリーグ屈指のものがあります。
また、チームメイトのスコアラーがベンチに下がっているときには、自ら点を取れる高い得点能力も持っています。
では具体的なプレイの特徴について、詳しく見ていきましょう。
(1) プレイの特徴
正統派PGと評されるクリス・ポールは、強烈なリーダーシップでチームをまとめ、流れが悪いときはゲームメイクを行い、オフェンスでチームの足が止まっているときには自ら点を取りにいきます。
試合中、速攻が連続して必要以上に展開が速くなると、ボールを止めてハーフコートオフェンスを展開し、不要なターンオーバーや失点が増えるのを防いでいます。
チームを率いるリーダーとしての素質は突出しており、NBAレジェンドで現解説者のチャールズ・バークレーも、「彼はリーグで最もリーダーシップがある男だ」と評するほど。
抜群のパスセンスでチームメイトにパスを供給する彼は、予想のつかないクリエイティブなパスや針の穴を通すような精度のパスを通し、相手チームのディフェンスを翻弄します。
クリッパーズではデアンドレ・ジョーダン、ロケッツではクリント・カペラといったセンターとのピックアンドロールから、ディフェンスの手の届かないところへアリウープパスを送るのも、彼の得意技のひとつです。
自ら得点を獲りにいく能力も非常に高く、毎シーズン平均得点を18~20点を記録しています。
クリス・ポール最大の武器は、多彩なドリブルでスペースを作り出し、ミドルレンジから沈めるプルアップジャンパー。
その高いシュート力を活かすために、小柄なガードながらポストアップを行う場面も多くあります。
2017年以前はミドルレンジからのジャンプシュートと、ドライブからのレイアップが主な武器でした。
しかし、苦手だった3Pショットも近年上達し続け、成功率は40%近くを記録するほどになっています。
クリス・ポールはまた、アグレッシブなディフェンスでも知られています。
スティール数はリーグ屈指の多さで、NBAスティール王のタイトルをこれまで6回獲得しており(2008〜09、11〜14)、キャリア平均で1試合あたり2,2回もの数のスティールを記録しています。
ただその積極的なディフェンスの姿勢が、”too aggressive”(アグレッシブすぎる)と批判されることもしばしば。
3Pライン外でボールを持ったマッチアップ相手にクローズアウトを行う際に、そのまま抜かれてしまうという場面も多く見られます。
(2)ハイライト
類稀なるパスセンスと高い得点能力をもち、相手チームの守る的を絞らせないクリス・ポール。
そのプレーを支えるのは、卓越したドリブル技術です。
切れ味鋭いクロスオーバーで相手ディフェンスを翻弄し、ときには相手ディフェンスの足首をくじくこと(アンクルブレイク)もあります。
その犠牲者はプレイの連続によってミスマッチになったビッグマンだけでなく、デイミアン・リラードのようなガードの選手にも及んでいます。
#1.ハイライト ハンドリング編
そのハイレベルなハンドリングの光るプレイを集めた、キャリアハイライト(ルーキーシーズンからクリッパーズ最終年まで)。
ピックアンドロールでのパスフェイクは、多くのバスケットプレイヤーが真似すべく練習したことでしょう。
クロスオーバーのキレもぜひ見習いたいところです。
#2.ハイライト 2017〜18シーズン
ロケッツに移籍して1年目となる2017〜18シーズンのハイライトです。
ゴージャスなハンドリングはもちろん、クラッチショットも多数沈め、勝負強さを見せつけています。
解説レジー・ミラーも、ポールが股抜きを決めた場面で”Oh no, he did!”(マジか!やりやがった!)と舌を巻いています。
3.人柄
リーグでもトップクラスのリーダーシップをもつクリス・ポールは、2013年からNBA選手会の会長(任期4年)を務めたのち、2017年の選挙で再選され、さらに4年務めることが決定しました。
NBA選手会長は、報酬や年間試合数といったいわば労働環境をめぐり、NBA選手(労働者側)を代表してNBA(使用者側)と交渉するポジションです。これに2度も選ばれることからも、彼のリーダーとしての素質が認められていることがわかります。
勝負に対してとても真剣な彼は、審判に対し激しく抗議することも多くあり、その反抗的な態度や発言を理由にテクニカルファウルをコールされてしまうことも多々あります。
2018年11月には、オフェンスファウルをとられたあと審判に対しボールフェイクをして、すぐさまテクニカルファウルをコールされてしまうというシーンがありました。
とても熱い性格で負けず嫌いなポールは、2011〜12シーズンのレイカーズ戦にて、パウ・ガソルに軽いスキンシップとして頭を撫でられたことに対して激昂するという場面もありました。
自分より30cm以上大きな相手にも臆さず立ち向かっていくところに、彼の気の強さがよく表れています。
2018〜19シーズンにも、現地10月20日のロケッツ対レイカーズの試合で、ラジョン・ロンドやブランドン・イングラムらと激しい乱闘を行なっています。
後のインタビューによれば、ラジョン・ロンドと言い合っているときに顔に唾がかかったことが癇(かん)に障り、殴り合いに発展したようです。
殴り合いの結果退場処分を言い渡され、のちに2試合の出場停止処分となりました。ちなみにこの試合は、レイカーズに移籍したレブロン・ジェームズのLAでのデビュー戦でした。
4.家族・交友関係
若い頃からバスケのエリートプレイヤーとして活躍を続けてきたクリス・ポールは、その交友関係もバスケと密接に関わっています。
一方コートを離れ家族のなかでの役割を果たしているときの彼の表情はとても柔和で、とてもいい家族との関係性を垣間見ることができます。
家族との仲睦まじい様子や、バスケ界の有名な友人たちとの交流の様子をまとめました。
(1)家族
コート上では情熱的なCP3ですが、コート外では、家族を愛するよき父親、そして2歳上の兄をもつ次男としての顔があります。
彼のInstagramのページには、家族との写真がよく投稿されています。父親としての、妻と2人の子どもたちとの家族と、次男としてのもうひとつの家族それぞれを大切にしている様子がうかがえます。
さらに、クリス・ポールは敬虔なクリスチャンであることが知られており、毎週日曜にはできるだけ教会へ足を運び、礼拝を行うことにしているそうです。
大学時代からの恋人で、2011年に結婚した奥さんのジェイダ・クロウリーさんとの間には、2人の子どもをもうけています。兄のクリス・ポールJr.くんと、妹のキャムリンちゃんです。
父はチャールズ・ポール(Charles Edward Paul)さん、兄はC.J. ポール(Charles Edward Paul Jr.)さんで、クリス・ポールを含め全員イニシャルがC.P.になっています。クリス・ポールがCP3と呼ばれるのは家族のなかで3番目のCPだからなのです。
(2)交友関係
NBAでは、特にレブロン・ジェームス、カーメロ・アンソニー、ドウェイン・ウェイドらと親しいことが知られています。
レブロンがレイカーズに移籍する前、移籍先候補についてメディアが情報収集していた際にクリス・ポールの「レブロンはLAに行きたがっている」という発言が大きく取り上げられるほどでした。
レブロンの誕生日には、お祝いメッセージを投稿しています。
近年急激にプレイの質が落ち、批判にさらされていたカーメロ・アンソニーがサンダーからロケッツへ移籍してきた時にも、歓迎のメッセージを投稿しています。
ちなみに、今や圧倒的な得点力を失い、批判にさらされているカーメロですが、クリス・ポールは「彼が批判を受けるのはおかしい」と擁護しつづけています。
2019年に引退を表明したドウェイン・ウェイドの誕生日には、おしゃれな2ショットとともにお祝いメッセージ。
リラックスした2人の表情が仲の良さをよく表しています。
また自身も幼少期からバスケに打ち込んできたクリス・ポールは、オフシーズンに子どもたちのためにバスケットボールキャンプを開催することでも知られています。
ガードの選手を養成する “Elite Guard Camp” や、未来のNBA選手を育てる “CP3 National Rising Stars Camp” などがあり、ゲーム形式の練習では、審判として笛を吹きながら、積極的に指導しています。
5.ファッション
カジュアルな私服姿を写した写真がCP3自身のInstagramに多数投稿されており、スニーカー好きであることがうかがえます。
特にエア・ジョーダン1をよく好んで履いているようで、カッコよく履きこなしています。
また「今日の一足」と題された投稿にて、スニーカー好きなら誰でも知っているOff-White™とコラボしたエア・ジョーダン1を履いた様子をアップしており、そのカラーリングでヒューストン・ロケッツへの移籍を暗に示しています。
6.クリス・ポールモデルのシューズ
クリス・ポールはジョーダンブランドと契約を結んでおり、シグネチャーモデルが発売されてきました。
CP3モデルのロゴは、黒字でCとP、そしてそのCとPに囲まれた白地部分で3を表現しています。
まとめ
NBAのトップを走り続けるクリス・ポールも、選手としてキャリア後半に入り、近年では太もも裏のハムストリングスなどを負傷して欠場することが多くなってきました。
また、PGとしてトップクラスの実力をもちながら、圧倒的な強さの他チームに阻まれ、未だ優勝することができていません。
ケガと戦い、ハーデンと強力なバックコートコンビを形成するロケッツを率いて、強豪ひしめくウェスタンカンファレンスを勝ち抜き念願のチャンピオンズリングを手にすることができるのか。
今後もクリス・ポールの活躍とチームの躍進から目が離せません!
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